作戦中に行方不明となった江風を捜索し始めて、10日が経ち・・・。
前線哨戒の基地が強力な深海凄艦の襲撃を受けているとの報を受け、第一艦隊と共に急行するとそこには・・・
「
提督かぁ・・・久しぶりだね。何か探しもんかい?フフフッ・・・」
直後、駆け付けた我々も激しい攻撃を受け、瞬く間に基地もろとも捕らわれの身となってしまった。目を覚ますと、江風の面影残る深海凄艦が僕の髪を掴み上げて、嬉しそうに見下ろしていた。
「
ダッセェなぁ、助けに来るっていうからずっと信じて待ってたのによォ、ほんと、どうしようもないグズだな、てーとく❤」
-嘘だろ、江風 嘘だと言ってくれよ。ただの悪ふざけなんだろ?助けに行くのが遅くなったから、怒ってるだけ、なんだよな?-
「
んん~?提督どしたァ?カワカゼのカラダに興味あんの?ン~?」
その言葉を聞いた瞬間、涙があふれだした。彼女は、紛れもなく江風だ。行方不明になった彼女は深海凄艦に囚われ、最後の最後まで助けが来ると信じながら、ヤツらに侵食改造されていったのだ。さぞ辛かったろう、心細かったろう。
すっかり敵のモノとなったその姿に、僕はただ絶望をおぼえた。もう、あの優しい江風が帰ってくることは無い・・・手遅れだったのだ。そして、江風に味わわせてしまった孤独と苦痛の分だけ、これからゆっくりといたぶり、犯し尽くされて、殺されるに違いない。